• 講師・講演情報(実技)

    8月3日(土)9:30 - 17:00

    「TEM試料作製から撮影まで」

     

     

    透過および走査電子顕微鏡(電子顕微鏡)による超微形態学の研究が最盛期であった40~50年前のころ、誰しもがその性能に驚嘆し、明けても暮れても電子顕微鏡に向き合っていたことが、今では懐かしい思い出となっています。その当時の透過電子顕微鏡(TEM)は、一部にイージーオペレーションというものがありましたが、多くはアナログ式の調整法で、それを怠るとたちまち使用出来なくなっていました。その後、コンピュータ制御によるTEMのシステム化が始まると、その使い勝手も次第によくなり、大勢で使ってもトラブルは減少し徐々に進歩して行きました。日本の電子顕微鏡の発達に遅れること半世紀、中国初のTEM 1号機が、つい最近発表されてニュースにもなりました。世界から見ても電子顕微鏡の必要性は、今も昔も変わらないということです。日本の電子顕微鏡レベルは、このような国々と競い合って、皆様と共に躍進続けることでしょう。これには当然ながら技術の伝承ということも大切な要素です。
    TEMのシステム化は、その機能をさらに押し上げる一要因であり、私たちはそれを歓迎すべきところであります。しかしシステム化されたTEMを、大勢で使用することには慎重な考え方をしています。それは観察の目的にそれぞれ違いがあって、本来は目的の条件に合わせて設定しなければなりませんが、大半はそのすべてをシステムに頼り、同じ設定で済ませシステムの機能が十分に生かされていないことにあります。このことを踏まえたうえで実技講習は、TEM を始めて日が浅い方々には、TEMを一通り理解していただく必要があります。そして生物試料を目的としたTEMの正しい操作方法を基に、それぞれの技術向上に繋がるよう進めて参ります。

  • 古谷 満寿美

    Masumi Furutani

    プロフィール)

    岡山大学医学部共同実験室
    私は、臨床検査技師、細胞検査士で病理出身です。TEM講習では、当施設で行っている2重染色を紹介いたします。ご参加のほどよろしくお願いいたします。

  • 鬼木 弘明

    Hiroaki Oniki

    プロフィール)
    元昭和大学電子顕微鏡室

    大学を退職するまで電顕一筋の一電顕屋として、この度、TEM実技の担当をさせていただくことになりました。現在は2年前のコロナ禍で熊本市に帰郷しています。近郊には熊本地震から7年ぶり奇跡の復活をなした人気の南阿蘇鉄道もあり、ここは学生時代に何度も訪れた撮影地です。そして帰郷後に再開した撮り鉄を日々楽しんでおります。